犬の胃炎の症状と原因、治療について|獣医師が解説|志木市のアポロ動物病院

志木市・新座市・朝霞市・ふじみ野市・清瀬市の皆様こんにちは。埼玉県志木市のアポロ動物病院です。

今回は、犬の胃炎について、病気の原因や対処法、治療方法について解説していきます。

当院では、犬の胃炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

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犬の胃炎とは?どんな病気?


胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きてしまった状態のことを指します。

胃炎は急性胃炎と慢性胃炎に分けられます。

一般的には、発症から数日以内のものを急性胃炎、それ以上のものを慢性胃炎と呼びます。

一時的なものであることが多いですが、重症化してしまうこともあるため、適切な治療を行うことがとても大切です。

 


犬の胃炎の症状について、こんな症状はありませんか?


犬が胃炎を起こしてしまうと、次のような症状が引き起こされることがあります。

・嘔吐する

・嘔吐物に血が混ざる

・食欲の低下

上記のような症状が見られる場合、胃炎を起こしている可能性があるため、はやめに動物病院を受診することをおすすめします。

 

また、胃炎が重度になると胃潰瘍などにより、次のような症状を示すことがあります。

・貧血

胃炎が胃潰瘍にまで発展してしまうと、出血により貧血になることがあります。貧血になると口などの粘膜の色が白っぽくなります。

・便が黒っぽくなる

胃から出血すると血液が消化され黒くなり、便が黒っぽくなることがあります。胃からの出血が便に出ると「コーヒー滓状」(こげ茶色)または「海苔佃煮状」(黒緑色)と言われるような糞便が排泄されます。

・脱水

繰り返す嘔吐や食欲の低下による水分摂取の不足などがあると、脱水してしまうことがあります。脱水すると、皮膚をつまんで離した際に皮膚の戻りが悪くなります。

これらの症状が見られる場合、急を要する状態である可能性が高いです。

すぐに動物病院を受診し、治療や検査の相談をするようにしましょう。

 

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犬の胃炎の原因について


急性胃炎、慢性胃炎の原因として多いものは次のとおりです。

・食物有害反応

食物アレルギーや脂肪分が多い食事などは胃炎の原因となります。

・感染症

ヘリコバクター菌やパルボウイルスといった病原体の感染によっても胃炎は引き起こされます。

・薬の副作用

胃炎の原因となる薬剤として代表的なものが非ステロイド性抗炎症薬です。非ステロイド性抗炎症薬には胃の粘膜保護機能を抑制する作用があるため、胃炎の原因になります。非ステロイド性抗炎症薬と比べると頻度は少ないですが、ステロイド製剤の投与も胃炎の原因となることがあります。

・異物の誤飲・誤食

おもちゃなどの異物を飲み込んでしまっても胃炎が引き起こされることがあります。特にリスクの高い異物として重金属が挙げられます。

・特発性

検査を行っても原因が特定できないものは特発性の胃炎と診断されます。

 


犬の胃炎の検査について


検査

胃炎の発症が疑われる場合、次のような検査および治療を行います。

・血液検査

血液検査で全身の状態を確認します。貧血や脱水の有無、肝臓や腎臓など他に症状の原因となるものがないか確認します。

・レントゲン検査

異物の誤飲・誤食が疑われる場合はレントゲン検査が有効です。必要に応じてバリウム造影を行うこともあります。

・エコー検査

胃壁の肥厚や腫瘍ができていないか、異物がないかや腸閉塞の有無などを確認するために実施されることがあります。

・内視鏡検査

上記の検査で原因が不明な場合や、治療を行ってもなかなか症状が良くならない場合などは内視鏡検査を行うことがあります。

内視鏡検査では胃粘膜の状態や異物の有無を確認します。

 


犬の胃炎の治療について


診断

・点滴

繰り返す嘔吐により脱水が生じている場合は点滴を行います。軽度な場合は短時間で処置が終わるように皮下点滴を行うことが多いですが、重度な場合は入院して静脈点滴を行うことがあります。

・薬の投与

吐き気止めや制酸剤の投与を行います。食欲がないなどで内服薬の投与が難しい場合は注射による投与を行います。感染が疑われる場合には抗菌薬の投与も行うことがあります。

・絶食

吐き気が重度の場合は1日程度絶食させることがあります。

・胃洗浄

異物の誤飲・誤食が原因の場合は胃洗浄が必要になることがあります。

・食事内容の変更

軽度の慢性胃炎の場合は食事内容を変更することで症状が改善することがあります。

療法食としては低脂肪食や低繊維食、除去食(アレルギー反応が出にくい食事)などが考慮されます。

 

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