ワクチンを打ちたい、必要な予防ってなに?

  • ノミ・ダニ・フィラリア予防
  • 混合ワクチン
  • 狂犬病ワクチン(予防・ワクチン)

予防・ワクチンの種類

(犬)フィラリア ノミダニ バベシア SFTS


フィラリア ノミダニ バベシア SFTS

フィラリア

犬糸状虫とも言われる肺の中の血管に寄生する寄生虫です。感染し続けると、肺の血管の内側が剥がれたり壊れたりして咳などの症状が出たり、血流が阻害されることの影響が心臓に現れて、心不全の症状(息苦しい、ハアハアする、疲れやすい、元気がない、食欲がない)が次第に現れ、そのまま放置すると高確率で死に至ります。また肺の血管の中のフィラリアが急に心臓の中に一気に移動することがあり(大静脈症候群)、急激に体調が悪化し醤油色(赤茶色)の尿をしているときは緊急で心臓内のフィラリアを摘出する手術が必要になります。

ノミ

ノミは皮膚に寄生する寄生虫で、犬を咬んで吸血をすることで皮膚に痒みを引き起こすだけでなく、皮膚病の原因になったり、アレルギーを起こしたりすることもあるほか、瓜実条虫などの消化管内寄生虫も運んでいることがあります。吸血するのはノミが成虫の間だけですが、幼虫、サナギの間は犬の生活する周りの環境にいて、犬の体に飛び移るチャンスをうかがっているため、周囲の環境を清潔に保つことも大切です。

マダニ

マダニは皮膚に寄生して吸血する寄生虫ですが、血を吸われて痒くなるだけでなく、バベシア症、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、ライム病などのさまざまな病気の原因になります。SFTSやライム病などは人にも感染する病気ですので、注意が必要です。主に草むらで動物が通りかかるのを待ち伏せして飛び移るとされているので散歩やアウトドアキャンプなどの際には充分気をつけなければいけませんが、近年は温暖化などの影響で、都市部でもマダニの感染リスクが高まっているとされています。

SFTS

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は2013年から日本での発生が確認されている伝染病で、ダニから犬や猫やその他の野生動物、そして動物から人間への感染が確認されています。感染すると発熱、下痢嘔吐などの他下血などが見られ、死亡率が30%にも上る非常に危険な病気です。飼っている動物から飼い主や獣医師への感染も複数確認されていますので、ダニの予防や定期駆除がとても大切です。

(犬)狂犬病 犬ジスンテンパー パルボ アデノウイルス 呼吸器 レプトスピラ

狂犬病

狂犬病 法律 ジスンテンパー パルボ アデノ1 呼吸器 レプト

狂犬病は感染発症すると致死率100%で治療方法のない非常に危険な伝染病です。あらゆる哺乳動物が感染するリスクがあり、人間にも感染します。国内で犬の発生は60年近く確認されていませんが、それは狂犬病予防法という法律をわざわざ作って犬の飼い主さんに注射の法的義務を課しているから、という面も大きいとされています。海外では毎年全世界で数万人が狂犬病で命を落としているとされ、とくにアジア圏での発生が多く、台湾、韓国、中国など日本に地理的に近い国にも数多くの発生があります。今国内にない病気だからと言わず、ぜひ毎年予防していただくことを強くお勧めする病気です。

犬ジステンパー

犬パルボウイルス性腸炎、犬伝染性肝炎と並び子犬で死亡率が高く危険な感染症です。鼻水、下痢、嘔吐、目やになどあらゆる症状が同時に出てきます。運動失調やけいれんなどの神経症状が見られることもあり、回復後もマヒなどの後遺症が残ることのあるとても怖い病気です。空気感染、飛沫感染をするので伝染力も強くもっとも注意しなければいけない犬の伝染病です。

犬パルボウイルス性腸炎

激しい下痢、血便、嘔吐、脱水が見られ腸炎で全く食べられなくなる結果衰弱死してしまう危険な伝染病です。犬ジステンパー、犬伝染性肝炎と並び重要視されています。ウイルスの環境中での生存力が高く、伝染力も強いため一度発症のあった場所で繰り返し発生してしまうことがあるので、環境の消毒に注意が必要です。

犬伝染性肝炎

発熱、元気消失、食欲不振、肝炎、下痢嘔吐などを起こし、子犬では突然死することがあります。回復中に目に後遺症が出ることもあります。犬パルボウイルス性腸炎、犬ジステンパーと並んで危険な感染症とされています。

犬アデノウイルス2型感染症

犬伝染性喉頭気管炎とも言われます。咳や鼻水などの風邪に似た症状が見られ、他の細菌と混合感染を起こすとより重症化して肺炎に進むこともあります。「ケンネルコフ」と呼ばれる犬の伝染性の呼吸器疾患の原因となるウイルスの一つです。空気感染するので伝染力が強く、なかなか治りづらいので長く続く咳で子犬が苦しみ続けてしまうこともあります。

犬パラインフルエンザ感染症

犬アデノウイルス感染症と共に「ケンネルコフ」と呼ばれる伝染性の呼吸器疾患を起こします。くしゃみ、鼻水、咳などの症状が見られ、飛沫感染、空気感染をするので伝染力が強く注意が必要です。

レプトスピラ症

腎臓と肝臓が同時に冒され、黄疸、発熱、尿毒症、元気食欲消失などの症状が現れます。犬同士の感染よりもネズミ、タヌキなどの野生動物の尿からの感染が主で、皮膚から接触感染することもあります。人間にも感染する動物由来感染症(人獣共通感染症)ですので飼い主のご家族も注意が必要です。自宅の周囲の環境やお散歩コース、よく行くドッグラン、帰省先などの状況で予防の必要性が変わってきます。

(猫)猫もフィラリア ノミダニ SFTS

猫もフィラリア ノミダニ SFTS

フィラリア

犬糸状虫とも言われる肺の中の血管に寄生する寄生虫です。その名の通り、主に犬に感染することが多い寄生虫ですが、犬の1/5の確率で猫に感染することもあります。複数の糸状虫に感染することはまれと言われていますが、犬より体格が小さく心臓も小さい猫が感染すると一匹でも重篤な症状が出るとされています。猫のフィラリア症は犬のフィラリア症にくらべると症状が分かりにくいのが特徴で、嘔吐や食欲不振などの消化器症状が出ることもあるほか、突然死を引き起こすこともあるところに気をつけなくてはいけません。外に出る猫、蚊の多い地域で生活する猫などは場合に応じて犬同様月1回の予防が推奨されます。

ノミ

ノミは皮膚に寄生する寄生虫で、猫を咬んで吸血をすることで皮膚に痒みを引き起こすだけでなく、皮膚病の原因になったり、アレルギーを起こしたりすることもあるほか、瓜実条虫などの消化管内寄生虫も運んでいることがあります。吸血するのはノミが成虫の間だけですが、幼虫、サナギの間は猫の生活する周りの環境にいて、猫の体に飛び移るチャンスをうかがっているため、周囲の環境を清潔に保つことも大切です。

マダニ

マダニは皮膚に寄生して吸血する寄生虫ですが、血を吸われて痒くなるだけでなく、バベシア症、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、ライム病などのさまざまな病気の原因になります。SFTSやライム病などは人にも感染する病気で、猫はダニから人にSFTSのウイルスを伝播させてしまう動物として重要視されています。ダニは主に草むらで動物が通りかかるのを待ち伏せして飛び移るとされているので外に出る猫は充分気をつけるのはもちろんのこと、野良猫から接触で感染のリスクもありますから、室内飼育だからと言って予防が不要ではないこともあります。

SFTS

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は2013年から日本での発生が確認されている伝染病で、ダニから犬や猫やその他の野生動物、そして動物から人間への感染が確認されています。感染すると発熱、下痢嘔吐などの他下血などが見られ、死亡率が30%にも上る非常に危険な病気です。飼っている動物から飼い主や獣医師への感染も複数確認されていますので、ダニの予防や定期駆除がとても大切です。

(猫)パルボウイルス FVR エイズ 白血病

パルボ FVR エイズ 白血病

猫パルボウイルス感染症

汎白血球減少症と呼ばれ、子猫に感染すると白血球が破壊されて他の病原体への防御力が弱くなるほか、腸炎を起こして下痢や嘔吐、食欲廃絶などの症状が出て、適切な治療を行っても死亡することもある危険な感染症です。感染力も強く、ウイルスの環境中での生存力も高いので一度発症してしまうとその環境を汚染して繰り返し発生してしまうことがあり、環境の消毒の仕方が重要です。

猫伝染性鼻気管炎

ヘルペスウイルスの感染によりくしゃみ、鼻水、咳、声嗄れ、流涙、目やに、結膜炎などの症状が出る呼吸器感染症です。ヘルペスウイルスは一度感染して猫の体に入ると終生持続感染し続ける特徴があり、体調の変化やストレスによってたびたび症状が出るようになってしまうことがあります。また飛沫感染するため伝染力が強いのも特徴ですが、ワクチンの接種により再度発症の頻度や症状を軽減できる可能性があるとされています。

猫カリシウイルス感染症

猫伝染性鼻気管炎と同様に鼻水、くしゃみ、咳などが出るほか、口内炎や舌潰瘍、よだれなどの口の症状から食事が困難になることも多いとされています。ヘルペスウイルスと一緒に感染することも多く、一度感染してしまうと終生持続感染する特徴もあるので伝染力が強く注意が必要です。