犬の歯が欠けた時に知っておきたい対処法と予防について|埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院

志木市・新座市・朝霞市・ふじみ野市・清瀬市の皆様こんにちは、

埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院です。

今回は、愛犬の歯が欠けた際の対処法とその予防について詳しく解説します。

犬の歯は食事や遊びに欠かせない大切な部分です。

しかし、歯が欠けると食事の際に痛みを伴うだけでなく、健康にも悪影響を及ぼすことがあります。

歯が欠けたこと自体、動物病院を受診していただきたい症状ですが、とくにこのような場合は早めの受診をおすすめします。

◆とくに注意するべき症状

  • 歯が欠けて出血している
    歯そのものからは出血をしません。
    ですので、出血をしているとしたら歯肉や歯の周りの歯槽骨、または顎など、他の部位にも広く損傷が存在している可能性が考えられます。歯科処置だけでなく、その他の創傷に対する治療も必要になることがありますので、顔全体の状況を慎重に判断する必要があります。
  • 欠けた部分の真ん中がピンク色
    『露髄』といって、歯の中心部分の血管と神経が通っている部分に穴が空いてしまっている事が考えられます。露髄に感染すると頬や顎が腫れたり、全身に感染が波及したりするリスクがあります。
  • 歯が欠けている側の顎や頬が腫れている
    『露髄』している場所にすでに感染して奥で膿が溜まってしまっている可能性があります。抜歯や歯内療法など、多くの場合麻酔科の処置が必要になります。
  • 痛がる
  • 元気がなくなった
  • 食欲が落ちた
  • 口を触られるのを嫌がる
    これらの症状は歯が折れて痛みがあることを表しています。

このような症状が見られたら

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🔳犬の歯が欠ける原因とは

 

① 硬いものを噛む

犬は本能的に噛むことを好みます。

また漫画などで骨をくわえた姿で描かれることも多く骨を好むイメージがありますが、

実際は硬い骨や固いおもちゃを噛むとかんたんに歯が欠けることがあります。

特に、天然の骨や蹄、ヒマラヤチーズ、硬いプラスチック製のおもちゃ、石などを噛む習慣がある場合は要注意です。

②事故や外傷

激しい遊びや転倒、他の犬との喧嘩などで歯をぶつけることによって欠けることもあります。

外部からの強い衝撃が原因となるため、事故や怪我には十分注意が必要です。

 

③歯の構造的な弱さ

一部の犬種や個体は、生まれつき歯が弱く、欠けやすい傾向があります。

これには遺伝的要因も関与しており、予防が難しい場合もあります。

 

④歯周病や虫歯

歯周病やエナメル質形成不全といった病気によって歯が脆くなると、ちょっとした力でも歯が欠けてしまうことがあります。

これらの歯の病気は、日常のデンタルケア不足が原因となることが多いです。

 

🔳犬の歯が欠けた時の対処法とは

①欠けた歯の確認と保存をする

まず、愛犬の口の中を確認し、欠けた歯の破片があるかどうかをチェックします。

破片が見つかった場合は、清潔な布や容器に入れて保存し、動物病院へ持参してください。

②歯茎のケアと清潔を保持する

歯が欠けた際には、歯茎にもダメージがある可能性があります。

口の中を清潔に保つために、ぬるま湯で口内を優しく洗浄し、感染予防に努められるといいのですが、

歯が折れたことで痛みを感じていて、口を触られるのを嫌がる場合もあります。

その場合は無理をしないことが大切です。

 

③食事内容の見直しをする

歯が欠けた場合、硬い食べ物は避けたほうがいいように思いますが、実際は逆です。

柔らかいフードやゆで野菜や肉などは食べ数が口の中に残りやすく、折れた部分にも詰まりやすいので、

口の中の状態を悪化させてしまう場合があります。

ドライフードは硬いままでも丸呑みできるのでかえって口の中が汚れにくく、咀嚼の回数が減るので、

折れた部位の状態を悪化させる可能性を最小限におさえられます。

 

④動物病院への相談と治療

身体検査

欠けた歯の治療は専門的な対応が必要です。

できるだけ早く動物病院を受診し、獣医師に相談してください。

折れた歯の治療法は主に3通りあります。処置は痛みを伴い、長時間の開口が必要になりますので、通常すべての場合で全身麻酔をして行います。

①歯冠修復

・ダイレクトボンディング

レジンというプラスチック状のものを用いて、欠けた部分を埋めます。象牙質の露出を防ぐことで、感染防止、歯周病の予防、歯の強度の補強を目指します。

・自家歯牙

折れた破片が運良く完全な状態の場合で、破折直後に処置が可能な場合、破片をピタッと戻して専用の接着剤で接着することが出来ることもあります。

②歯内療法

すでに歯根に感染がある、露髄している、修復象牙質の被覆が遅れている、などの場合は歯内治療を行います。

これは人間でも虫歯治療などで「神経を取る(抜く)治療」と言われるもので、歯の中心部分(歯髄)を通っている神経と血管を抜き取って清掃し、代わりに詰め物をして、最後に歯の表面をレジンで覆って歯の形を直す方法です。

③抜歯

歯肉の奥深くの部分(歯根)まで割れている、さまざまな理由で複数回の処置が不可能、などの場合は割れた歯を抜歯することで感染や痛みのコントロールを目指す場合もあります。

🔳犬の歯が欠けるのを予防する方法

①適切な食事とおもちゃの選び方

硬すぎない適切な食べ物やおもちゃを選ぶことが重要です。

多くの犬は、顎の筋肉の噛む力が歯の強度に対して強く、

また上顎の歯と下顎の歯は互い違いになっていて噛む際に斜めに力がかかってしまいます。(剪断力)

そのため適度な硬さのものを選ばないと容易に歯が折れます。

天然の骨や蹄、硬いプラスチック製品やヒマラヤチーズは避け、布や化学繊維、木製などの丈夫で安全な噛むおもちゃを与えるようにしてください。

 

②定期的なデンタルケア

日常的なデンタルケアは、歯の健康を保つことと、万が一折れてしまったときにも早期発見に繋がるためとても大切です。

毎日の歯磨きを習慣化し、歯垢や防ぎ、口の中を見せてくれるようになりましょう。

アポロどうぶつ病院では、犬の歯磨きトレーニングのサポートも行っていますので、いつでもご相談ください。

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トレーニング

 

③歯の健康を保つための生活習慣

定期的な運動やストレスのない生活環境もとても重要です。

運動やストレス発散の場がないことが、物を噛むという行動への執着を高め、結果的に折れることも含めた歯の問題を引き起こしやすくしてしまいます。

運動や外出の機会を充分に設けることで、全体的な健康状態が向上し、歯の問題を予防できます。

 

④定期的な歯科検診の重要性

身体検査

獣医師による定期的な歯科検診は、歯の健康を維持するために非常に重要です。

少なくとも半年に一度の検診を受け、早期に問題を発見し対処することで、歯が欠けるリスクを大幅に減らすことができます。

 

🔳犬の歯が欠けた場合に注意すべきこと

 

①二次感染のリスク

歯が欠けた部分は細菌が入り込みやすく、二次感染のリスクがあります。

欠けた歯や歯茎の周囲を清潔に保ち、感染を防ぐために抗生物質の投与が必要な場合もあります。

 

②欠けた歯の長期的な影響

欠けた歯が治療されずに放置されると、長期的な影響が出ることがあります。

例えば、欠けたところから歯の中に菌が侵入して感染を起こし、さらに奥に拡がって顎の骨の中に炎症や膿瘍を作ることがあります。

こうなると痛みが強く、そちら側の歯で物を噛むのを嫌がるようになるばかりでなく、

上顎の臼歯が折れた場合頬の皮膚に穴が空いて排膿するようになってしまうことがあります(外歯瘻)。

 

③歯の再生や修復の可能性

残念ながら犬の歯は再生しません。

歯が割れてから感染も歯石の付着もなく長期経過できると修復象牙質と言われるぶぶんが割れた面を覆って保護されるようになる場合もあります。

ただこの場合も完全な保護にはならず感染リスクが残るので、獣医師は、樹脂やクラウンなどの材料を用いて歯を修復する方法を提案することがあります。

これにより、機能的にも審美的にも問題を解決できます。

 

🔳まとめと今後のケアのポイント

 

①歯の健康維持の重要性

愛犬の歯の健康は、全体の健康状態や生活の質に直結しています。

歯が欠けると食事が困難になり、栄養不足や健康問題を引き起こすことがあります。

 

②継続的なデンタルケアの推奨

毎日のデンタルケアを継続することで、歯垢や歯石の蓄積を防ぎ、歯の健康を保つことができます。

愛犬の歯を毎日チェックし、異常がないか確認する習慣をつけましょう。

アポロどうぶつ病院では、犬の歯磨きトレーニングのサポートも行っていますので、いつでもご相談ください。

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トレーニング

 

③定期的な歯科検診と適切な治療

定期的な歯科検診を受けることで、歯の問題を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。

これにより、愛犬の歯の健康を長期間維持することが可能です。

 

愛犬の歯が欠けた場合や歯の健康について心配なことがありましたら、いつでもアポロどうぶつ病院にご相談ください。

状態を細かく診査し、飼主様から丁寧にヒアリングすることで、その子に一番あった方法をご提案できます。

愛犬の健康を守るために、日常的なケアと定期的な検診を欠かさず行いましょう。

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