【獣医師が解説】犬猫の椎間板ヘルニアの症状・原因・治療法|埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院

志木市・新座市・朝霞市・ふじみ野市・清瀬市の皆様、こんにちは。

埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院です。

今回は、椎間板ヘルニアについて、原因や進行、症状、治療方法、そして予防策についてご説明いたします。

もし椎間板ヘルニアでお困りの際は、ぜひ一度当院にご相談ください。

■犬猫の椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアは、背骨をつなぐ椎間板が変形し、脊髄神経を圧迫することで発症する病気です。

特に犬でよく見られ、ダックスフンドなど胴が長い犬種や、ビーグル、トイプードルなど軟骨異栄養犬種に多く発生します。

椎間板ヘルニアには、急性に発症するハンセンⅠ型と、徐々に進行するハンセンⅡ型の2つのタイプがあり、それぞれ異なる進行と症状を示します。

 

■犬猫の椎間板ヘルニアの症状

症状は、ヘルニアの部位や進行具合によって異なりますが、一般的には激しい背中や首の痛みが現れます。

動物が動きたがらなかったり、腰や首に変化が見られ、猫背や首が上がらないといった姿勢の変化があらわれることもあります。

歩行が困難になる場合もあり、特に後ろ足に麻痺が現れて引きずるように歩くことがあります。

さらに、感覚の異常や痛みが増すことで、動物が急に吠えたり噛みついたりすることもあります。

重度になると、排尿や排便が困難になり、まれに呼吸困難を引き起こすこともあります。

 

    ■犬猫の椎間板ヘルニアの原因

    椎間板ヘルニアの原因にはいくつかの要因があります。

    遺伝的な要因が大きく、ダックスフンドやビーグル、トイプードルなど特定の犬種で若いうちから発症することが多いです。

    また、加齢に伴い椎間板が劣化しやすくなることや、肥満が背骨に負担をかけてヘルニアを引き起こしやすくなることも原因の一つです

    。さらに、高いところからの飛び降りや、滑りやすい床での運動など、不適切な運動もリスクを高めます。負荷をかけ、ヘルニアのリスクを高めます。

    ■犬猫の椎間板ヘルニアの治療法

    椎間板ヘルニアの治療法は、病状の程度や動物の状態によって異なります。
    ですので、現在の病状を神経学的検査、レントゲン検査、MRI検査やCT検査等で正確に病期分類(ステージング)していくことが大切です。


    《病期分類(ステージング)》

    • ステージ1: 痛みのみで神経症状がない
    • ステージ2: 繰り返すまたは重度の痛みがあり、神経症状があるが麻痺はなく歩行が可能
    • ステージ3: 神経症状があり、麻痺または不全麻痺がみられ、歩行障害がある
    • ステージ4: 麻痺があり歩行が不可能
    • ステージ5: 歩行が不可能であり、排尿障害がある
      (深部痛覚が残っている=サブステージa/深部痛覚消失=サブステージb)

     

    《治療方法》

    • 保存療法: 軽度のヘルニアの場合、安静にすることが最も重要です。
      「安静」とは古典的には体長の1.5倍以内の範囲までに厳密に運動制限をすることを指します。
      また痛みを和らげるために鎮痛剤や抗炎症薬を使用することも症状の進行を防ぎます。
      慢性期には、適切なダイエットやサポート用品の使用も有効です。
    • リハビリテーション: リハビリテーションは、筋力を維持し、再発を防ぐために重要です。
      また、リハビリの主役は飼い主さんに担っていただくことが多く、病院で獣医師や看護師とよく話し合って適切なリハビリプログラムを作成し、自宅で実施するにあたっての問題点を事前に解決しておくことが、リハビリの有効性を高めるのに役立ちます。
      リハビリの内容はストレッチやマッサージ、さまざまな運動療法、水中での歩行訓練などが含まれます。
    • 外科手術: 重度の場合、手術が必要になることがあります。
      手術では、椎骨を削って椎間板にアプローチし、突出した椎間板を除去し、神経の圧迫を取り除きます。
      手術後の順調な回復には適切なリハビリが不可欠で、傷の治り方や痛みの減り方を評価しながらの適切な管理が鍵となります。

     

    ■犬猫の椎間板ヘルニアの予防法

    椎間板ヘルニアを予防するためには、適切な体重管理が不可欠です。

    体重をコントロールすることで、背骨への負担を軽減し、ヘルニアのリスクを減らすことができます。

    また、適切な運動やスキンシップを通じてストレスを解消し、筋力を維持することも重要です。

    定期的な健康チェックを受けることで、早期に異常を発見し、迅速に対応することができます。

    ■まとめ

    椎間板ヘルニアは、犬にとって深刻な病気ですが、早期発見と適切な治療で症状を軽減することができます。

    日々の生活の中で体重管理や運動に注意し、予防策を講じることで、リスクを抑えることが可能です。

    当院では、椎間板ヘルニアに関する診断や治療、予防についてのご相談を承っております。

    ペットの健康を守るため、私たちは全力でサポートいたしますので、ぜひアポロどうぶつ病院にご連絡ください。