【獣医師が解説】犬の膀胱炎のよくある症状と治療法|志木市のアポロどうぶつ病院

志木市・新座市・朝霞市・ふじみ野市・清瀬市の皆様こんにちは、

埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院です。

「おしっこの回数が増えた気がする」
「トイレに行くけど、あまり出ていない」
そんな様子に気づいたら、膀胱炎のサインかもしれません。

犬にとって膀胱炎はよくある泌尿器のトラブルですが、放置すると重症化したり、再発を繰り返すこともあります。
今回は、犬の膀胱炎の主な症状や原因、治療法、予防のポイントをわかりやすくご紹介します。

■ 膀胱炎ってどんな病気?

膀胱炎とは、膀胱の粘膜に炎症が起きる病気です。

主に細菌感染(細菌性膀胱炎)が原因となりますが、尿石症(ストルバイトやシュウ酸カルシウム)や腫瘍、基礎疾患(糖尿病や副腎疾患)などが背景にあることもあります。

特にメスの犬は尿道が広くて短く、細菌が膀胱まで届きやすいため、膀胱炎になりやすい傾向があります。

■ 膀胱炎で見られる主な症状

膀胱炎の犬には、次のような症状が見られます。

  • 頻尿(トイレの回数が多い)

  • 少量しか出ない、または尿が出ない

  • 排尿時に痛がる、鳴く

  • 血尿(赤や茶色っぽい尿)

  • トイレ以外の場所での粗相が増える

  • 陰部を舐めることが増える

  • 元気がない、食欲が落ちる(重症例)

飼い主さんが「なんとなくいつもと違う」と感じた時点で、実は膀胱内では細菌が増殖し、炎症が進んでいることも珍しくありません。

■ 膀胱炎の診断と治療

アポロどうぶつ病院では、以下の流れで膀胱炎を診断・治療します。

◆ ① 問診と身体検査

症状や頻尿の回数、出方、体調の変化を丁寧にお伺いします。

◆ ② 尿検査

尿の色や濁り、pH、白血球や細菌の有無を確認します。尿中に血液や膿、細菌があることで膀胱炎を特定できます。
また尿糖や尿石を調べたり、顕微鏡で細胞を観察することにより、膀胱炎の原因を絞り込むことができます。

◆ ③ 超音波検査

膀胱の内部構造を調べることにより、炎症の程度や膀胱壁の変化の程度を見つけることができます

また、腫瘍や腎臓の異常が関連していないかどうかも推定できます。

◆ ④ 尿培養検査・細胞診

膀胱炎を繰り返す場合、細菌の種類を調べる培養検査を行って、なぜ薬が効かないのか調べることがあります。
腫瘍やポリープが疑われた場合は、細胞診を行って腫瘍の種類や悪性良性について調べることを検討します。

◆ ⑤ 治療

基本的には抗生物質を投与して細菌を除去します。数日で症状は軽快しますが、再発防止のために処方された薬は最後まで飲み切ることが大切です。

結石や腫瘍が関与している場合は、食事療法や外科的処置を検討します。

■ 膀胱炎を放置するとどうなる?

初期の膀胱炎は比較的治療しやすい病気ですが、以下のようなリスクを伴う進行性の病気でもあります。

  • 腎盂腎炎(腎臓への感染拡大)

  • 尿道閉塞(結石などによる排尿困難)

  • 慢性膀胱炎(治りにくい状態に)

  • 炎症性ポリープ(膀胱内に腫瘍に似たポリープが増生)

「症状が落ち着いたからもういいや」と思わず、しっかり完治させることが再発予防にもつながります。

■ 飼い主さんができる予防とケア

膀胱炎を繰り返さないためには、日頃の生活習慣の見直しと定期的なチェックが大切です。

● こまめなトイレ環境の整備

排尿を我慢させないよう、トイレの場所を清潔に保ち、適切な頻度で排尿できるように外散歩を心がけましょう。

● 水分摂取量を増やす

飲水量が少ないと、尿が濃くなり細菌が繁殖しやすくなります。ウェットフードや水分を増やす工夫が効果的です。

● 適切な食事管理

結石体質の子にはpH調整食や療法食を用いることで、予防につながります。

● 定期的な尿検査

年齢に関係なく、半年~1年に1回の健康診断での尿検査がおすすめです。特に高齢犬や既往歴のある子は注意が必要です。

■ まとめ:早めの対処が元気のカギです

膀胱炎は軽視されがちな病気ですが、放置すると重症化することもあるため、早期発見・早期治療が重要です。
「おかしいな」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。

アポロどうぶつ病院では、やさしく丁寧に診察し、再発しにくい体づくりまでサポートいたします。
不安なこと、気になることがあれば、どんな些細なことでも遠慮なくお話しください。

📍アポロどうぶつ病院|埼玉県志木市
☎ 048-471-1287
【URL】https://www.apollo-ah.com/
犬の膀胱炎の早期診断・治療は、私たちにお任せください!