【獣医師が解説】犬猫の胆泥症の原因・症状・治療方法|埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院

志木市・新座市・朝霞市・ふじみ野市・清瀬市の皆様こんにちは。

埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院です。

今回は、犬猫の胆泥症の原因、進行、症状、治療方法、そして予防策について解説していきます。

犬猫の胆泥症でお悩みの場合は、是非当院に一度ご相談ください。

■犬猫の胆泥症とは

胆泥症とは、胆嚢に泥状の物質(胆泥)が溜まる病気です。胆泥は、胆汁が固まってできるもので、胆嚢や胆管の正常な働きを邪魔することがあります。また、胆泥がさらに固くなると、胆嚢の動きが悪くなる「胆嚢粘液嚢腫」という状態に進行し、これを胆泥症の進行した形と考える研究者もいます。

胆泥が胆汁の流れを妨げると、胆嚢や胆管、さらには肝臓にも炎症が広がることがあります。特に高齢の犬や猫に多く見られる病気で、無症状で進行することもよくありますが、症状が現れると病状が深刻になる場合があります。

 

■犬猫の胆泥症の症状とは

胆泥症の症状はさまざまで、軽度のうちはほとんど症状が出ないこともあります。しかし、病気が進行すると、次のような症状が見られることがあります。

①食欲がなくなる
②嘔吐
③目や皮膚が黄色くなる(黄疸)
④右上腹部に痛みを感じる
⑤下痢や便秘
⑥元気がなくなる

これらの症状が見られた場合、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。多くの場合、胆嚢炎や胆管炎、胆管閉塞、または胆嚢粘液嚢腫などに発展していることがあり、放置すると命に関わることもあります。

 

■犬猫の胆泥症の原因とは

胆泥症の原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。主な要因として次のものが挙げられます。

①高脂肪の食事は胆汁の流れを遅くし、胆泥の形成を助けることがあります。
②肥満は胆汁の流れを悪化させ、胆泥症のリスクを高めることがあります。
③高齢や避妊・去勢手術後のホルモンバランスの変化が、胆泥の形成に影響を与えることがあります。
④柴犬やダックスフントなど、遺伝的に胆泥症になりやすい犬種もいます。
⑤腸内細菌の感染が胆嚢や胆管に広がり、胆泥症の発症に関わることもあります。

 

■犬猫の胆泥症の治療法とは

胆泥症の治療は、症状の程度や胆泥の蓄積具合によって異なります。軽度の場合は、食事療法や生活習慣の改善が基本です。例えば、低脂肪の食事に変えることで、胆汁の流れをスムーズにし、胆泥の蓄積を防ぐことができます。定期的な運動や体重管理も有効です。

中等度から重度の場合は、薬物療法が必要になることがあります。胆汁の流れを良くする薬や、炎症を抑える抗炎症薬、さらには肝臓を保護する薬やサプリメントが処方されることもあります。細菌感染が原因であれば、抗生物質が使われることもあります。

胆嚢や胆管に深刻な閉塞がある場合や、胆嚢が破裂しそうな場合は、外科手術が必要になります。手術では、胆嚢に溜まった胆泥を取り除いたり、必要に応じて胆嚢を摘出したりすることもあります。

 

■犬猫の胆泥症の予防法とは

胆泥症を予防するためには、日々のケアが大切です。次のポイントに気をつけて予防しましょう。

①食事は低脂肪でバランスの取れたものを選びましょう。
②適度な運動を続けることで、胆汁の流れを良くし、胆泥の蓄積を防ぐことができます。
③肥満を避けるために、体重管理をしっかり行いましょう。
④定期的に動物病院で健康チェックを受け、肝臓や胆嚢の状態を確認してもらうことが大切です。超音波検査などで胆嚢の状態を調べることで、胆泥症の早期発見が可能になります。

特に高齢の犬や猫、そしてリスクの高い犬種では、定期的なチェックと予防が重要です。

 

■まとめ

胆泥症は初期には症状が出にくい病気ですが、進行すると深刻な合併症を引き起こすことがあります。日頃から適切な食事、運動、体重管理を行い、定期的に動物病院で検査を受けることで、胆泥症の予防につながります。気になる症状があれば、早めに動物病院で診察を受け、適切な治療を受けましょう。

アポロどうぶつ病院では、胆泥症に関する専門的な診断と治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。