犬の歯が欠けた時に知っておきたい対処法と予防について|埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院
志木市・新座市・朝霞市・ふじみ野市・清瀬市の皆様こんにちは、
埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院です。
今回は、愛犬の歯が欠けた際の対処法とその予防について詳しく解説します。
犬の歯は食事や遊びに欠かせない大切な部分です。
しかし、歯が欠けると食事の際に痛みを伴うだけでなく、健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
この記事を参考に、愛犬の歯の健康を守りましょう。
🔳犬の歯が欠ける原因とは
① 硬いものを噛む
犬は本能的に噛むことを好みます。
また漫画などで骨をくわえた姿で描かれることも多く骨を好むイメージがありますが、
実際は硬い骨や固いおもちゃを噛むとかんたんに歯が欠けることがあります。
特に、天然の骨や蹄、ヒマラヤチーズ、硬いプラスチック製のおもちゃ、石などを噛む習慣がある場合は要注意です。
②事故や外傷
激しい遊びや転倒、他の犬との喧嘩などで歯をぶつけることによって欠けることもあります。
外部からの強い衝撃が原因となるため、事故や怪我には十分注意が必要です。
③歯の構造的な弱さ
一部の犬種や個体は、生まれつき歯が弱く、欠けやすい傾向があります。
これには遺伝的要因も関与しており、予防が難しい場合もあります。
④歯周病や虫歯
歯周病やエナメル質形成不全といった病気によって歯が脆くなると、ちょっとした力でも歯が欠けてしまうことがあります。
これらの歯の病気は、日常のデンタルケア不足が原因となることが多いです。
🔳犬の歯が欠けた時の対処法とは
①欠けた歯の確認と保存をする
まず、愛犬の口の中を確認し、欠けた歯の破片があるかどうかをチェックします。
破片が見つかった場合は、清潔な布や容器に入れて保存し、動物病院へ持参してください。
②歯茎のケアと清潔を保持する
歯が欠けた際には、歯茎にもダメージがある可能性があります。
口の中を清潔に保つために、ぬるま湯で口内を優しく洗浄し、感染予防に努められるといいのですが、
歯が折れたことで痛みを感じていて、口を触られるのを嫌がる場合もあります。
その場合は無理をしないことが大切です。
③食事内容の見直しをする
歯が欠けた場合、硬い食べ物は避けたほうがいいように思いますが、実際は逆です。
柔らかいフードやゆで野菜や肉などは食べ数が口の中に残りやすく、折れた部分にも詰まりやすいので、
口の中の状態を悪化させてしまう場合があります。
ドライフードは硬いままでも丸呑みできるのでかえって口の中が汚れにくく、咀嚼の回数が減るので、
折れた部位の状態を悪化させる可能性を最小限におさえられます。
④動物病院への相談と治療
欠けた歯の治療は専門的な対応が必要です。
できるだけ早く動物病院を受診し、獣医師に相談してください。
処置は痛みを伴うのですべての場合で全身麻酔が必要になります。
修復をする場合は折れた破片をピタッと戻して専用の接着剤で接着することもありますが、
破片が取れて無くなっている、既に感染が起こっている、歯肉の奥まで割れているなどの理由があると
この方法は使えないので、接着で治せる機会はかなり限られます。
多くの場合は神経を抜き詰め物をして、歯の表面をレジンという光を当てると固まる物質で覆う方法(歯内療法)か抜歯が選択されます。
🔳犬の歯が欠けるのを予防する方法
①適切な食事とおもちゃの選び方
硬すぎない適切な食べ物やおもちゃを選ぶことが重要です。
多くの犬は、顎の筋肉の噛む力が歯の強度に対して強く、
また上顎の歯と下顎の歯は互い違いになっていて噛む際に斜めに力がかかってしまいます。(剪断力)
そのため適度な硬さのものを選ばないと容易に歯が折れます。
天然の骨や蹄、硬いプラスチック製品やヒマラヤチーズは避け、布や化学繊維、木製などの丈夫で安全な噛むおもちゃを与えるようにしてください。
②定期的なデンタルケア
日常的なデンタルケアは、歯の健康を保つことと、万が一折れてしまったときにも早期発見に繋がるためとても大切です。
毎日の歯磨きを習慣化し、歯垢や防ぎ、口の中を見せてくれるようになりましょう。
アポロどうぶつ病院では、犬の歯磨きトレーニングのサポートも行っていますので、いつでもご相談ください。
③歯の健康を保つための生活習慣
定期的な運動やストレスのない生活環境もとても重要です。
運動やストレス発散の場がないことが、物を噛むという行動への執着を高め、結果的に折れることも含めた歯の問題を引き起こしやすくしてしまいます。
運動や外出の機会を充分に設けることで、全体的な健康状態が向上し、歯の問題を予防できます。
④定期的な歯科検診の重要性
獣医師による定期的な歯科検診は、歯の健康を維持するために非常に重要です。
少なくとも半年に一度の検診を受け、早期に問題を発見し対処することで、歯が欠けるリスクを大幅に減らすことができます。
🔳犬の歯が欠けた場合に注意すべきこと
①二次感染のリスク
歯が欠けた部分は細菌が入り込みやすく、二次感染のリスクがあります。
欠けた歯や歯茎の周囲を清潔に保ち、感染を防ぐために抗生物質の投与が必要な場合もあります。
②欠けた歯の長期的な影響
欠けた歯が治療されずに放置されると、長期的な影響が出ることがあります。
例えば、欠けたところから歯の中に菌が侵入して感染を起こし、さらに奥に拡がって顎の骨の中に炎症や膿瘍を作ることがあります。
こうなると痛みが強く、そちら側の歯で物を噛むのを嫌がるようになるばかりでなく、
上顎の臼歯が折れた場合頬の皮膚に穴が空いて排膿するようになってしまうことがあります(外歯瘻)。
③歯の再生や修復の可能性
残念ながら犬の歯は再生しません。
歯が割れてから感染も歯石の付着もなく長期経過できると修復象牙質と言われるぶぶんが割れた面を覆って保護されるようになる場合もあります。
ただこの場合も完全な保護にはならず感染リスクが残るので、獣医師は、樹脂やクラウンなどの材料を用いて歯を修復する方法を提案することがあります。
これにより、機能的にも審美的にも問題を解決できます。
🔳まとめと今後のケアのポイント
①歯の健康維持の重要性
愛犬の歯の健康は、全体の健康状態や生活の質に直結しています。
歯が欠けると食事が困難になり、栄養不足や健康問題を引き起こすことがあります。
②継続的なデンタルケアの推奨
毎日のデンタルケアを継続することで、歯垢や歯石の蓄積を防ぎ、歯の健康を保つことができます。
愛犬の歯を毎日チェックし、異常がないか確認する習慣をつけましょう。
アポロどうぶつ病院では、犬の歯磨きトレーニングのサポートも行っていますので、いつでもご相談ください。
③定期的な歯科検診と適切な治療
定期的な歯科検診を受けることで、歯の問題を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。
これにより、愛犬の歯の健康を長期間維持することが可能です。
愛犬の歯が欠けた場合や歯の健康について心配なことがありましたら、いつでもアポロどうぶつ病院にご相談ください。
状態を細かく診査し、飼主様から丁寧にヒアリングすることで、その子に一番あった方法をご提案できます。
愛犬の健康を守るために、日常的なケアと定期的な検診を欠かさず行いましょう。