診療案内

歯周病

このような症状はございませんか?

  • 口が臭う
  • 歯茎が赤く腫れる
  • 歯がぐらつく・抜けた
  • 食欲が減る
  • 顔が腫れる

このような症状があてはまったら、
歯周病》の疑いがあります。

Periodontal Disease歯周病とは

歯周病は、歯と歯茎の周囲に起こる細菌による炎症感染症です。
歯垢や歯石が歯茎と歯の間に蓄積し、歯垢内の歯周病菌によってが繁殖することで歯茎が炎症を起こし、歯槽骨から剥がれて歯周ポケットが深くなります。深くなった歯周ポケットの奥にさらに歯垢が蓄積することで、歯周病菌がさらに増殖し、最終的には歯の支持組織(歯肉、歯槽骨)を破壊します。
これにより、まず痛みが起こり、次に膿が出るようになり、進行すると歯がぐらついたり、抜け落ちたりすることがあります。

歯周病が進行すると、以下のような深刻な問題が発症発生します。

歯の脱落

歯が抜け落ちることがあります。

感染の拡大

口腔内の感染が他の部位に広がり、全身的な健康問題を引き起こすことがあります。
歯周病菌を含んだ歯垢を吸引することで性に波及して喉頭炎、気管炎のほか気管支炎、気管支肺炎などを引き起こすほか、血管内に入り込んだ細菌が腎臓(腎盂腎炎)や心臓(心内膜炎)を引き起こすことも報告されています。

痛みと不快感

重度の痛みや不快感が生じ、食事が困難になることがあります。

顎骨の損傷

歯を支える骨が破壊されることで、顎骨に損傷が生じることがあります。

Treatment当院の歯周病治療

治療

歯垢歯石除去

適応時期

歯石や歯垢が蓄積し、初期から中等度の歯周病が見られる場合に行います。

治療内容

全身麻酔の適用 動物がリラックスし、治療中に動かないようにするために全身麻酔を施します。
局所麻酔 局所麻酔の注射を行いさらに鎮痛効果が増強されるようにします。
歯垢の除去 歯垢は内部で歯周病菌が増殖し歯周病の直接的原因になります。
スケーラーという器具を使用して、歯の表面と歯周ポケット内に蓄積した歯垢を徹底的に取り除きます。
歯石の除去 歯石は表面に細かい凹凸があることで歯石の付着が増し、歯周病を間接的に悪化させる要因になるため、歯石だけでなく、歯垢も完全に取り除くことが重要です。歯石もスケーラーを使用して除去を行います。
歯の研磨 歯石と歯垢を除去した後、歯の表面を滑らかにするために研磨ペーストとゴムでできたポリッシャーを使用して研磨します。
これにより、再度の歯垢の付着を防ぎます。
歯周ポケット内のデブライドメント 歯周ポケット内には不良肉芽という細胞の塊が増殖していているため、これを丁寧に除去し歯肉と歯の再接着化と歯周ポケットの浅化を目指します。
歯科用顕微鏡の使用 わずかな歯石や不良肉芽の取り残しも歯周ポケットの再接着の妨げになるため、すべての行程を歯科用顕微鏡を用いた拡大視野下で行い徹底的に清掃します。
治療

抜歯

適応時期

歯周病が進行し、歯が保存不可能な場合や、他の歯や健康に悪影響を及ぼす可能性がある場合に行います。
どんな歯を抜歯するかはケースバイケースで個別に判断するため、統一の基準は存在しませんが「動揺(ぐらぐら)の程度」「歯根周囲の歯槽骨の吸収の程度」「術後の歯磨き、ケアがどれくらい出来るか」を総合的に考慮しつつ、飼い主様とよく相談して決定していきます。

治療内容

全身麻酔の適用 動物が痛みとストレスを感じないようにし、治療中に動かないようにするために全身麻酔を施します。
局所麻酔 局所麻酔の注射を行いさらに鎮痛効果が増強されるようにします。
問題のある歯の露出 抜歯する歯をしっかりと露出させるために、周囲の組織を適切に処理します。
抜歯 専門的な器具を使用して、問題のある歯を抜きます。
歯をしっかりと固定している周囲の組織や骨を慎重に処理しながら、歯を安全に取り除きます。
出血の管理 抜歯後の出血を管理し、止血を行います。
傷口の処置 抜歯後に抜歯窩内に残った膿や不良肉芽を丁寧に除去しての傷口を適切に処理し、縫合が必要な場合は縫合を行います。
これにより、感染のリスクを減少させ、治癒を促進します。
治療

歯内治療

適応時期

歯の内部まで感染が広がり、歯髄根管(歯の中心の神経や血管が通っている管部分)に達している場合に行います。

治療内容

全身麻酔の適用 動物が痛みとストレスを感じないようにし、治療中に動かないようにするために全身麻酔を施します。
局所麻酔 局所麻酔の注射を行いさらに鎮痛効果が増強されるようにします。
根管形成 まず歯の内部の感染物質を取り残さず、また充填処理中に隙間を残さないようにします。
そのため(根管)に達した感染を取り除きます。まず、歯の表面に小さな穴を開け、そこから専用の器具(ファイル)を挿入して内側を少しずつ削って広げていきます。
根管洗浄 根管内部をしっかりと洗浄消毒して、感染物質となる神経や血管、血液を丁寧に除去します。
この段階で、細菌を完全に除去するために、専用の消毒液を使用します。
根管充填 洗浄消毒が完了した根管内部を、再感染を防ぐために専用の材料で完全に埋め立ててしっかりと充填し、止血を行います。
歯冠造築 最後に、歯の表面をコンポジットレジンを用いてきれいな形に作り直します。
このことによって歯石が付着しやすい象牙質を完全にカバーし、また再び咬合に使用できるようにします。

Flow治療の流れ

step01

一次診査

初診時には、まず診察室でお口の様子を診察します。
この段階では動物に意識がある状態で痛みや口の動きなどの評価を行うほか、ご家庭での歯磨きケアの状況などについてヒアリングを行います。

重症度 それぞれの部位の歯周病の進行度合いを確認します。
治療方針 仮の治療計画を立て、必要な治療についてご説明します。
費用の概算 治療にかかるおおよその費用をお伝えします。
術後のケア 術後のご自宅での歯磨きケアのやり方についてすりあわせを行います。

この段階での診断は仮診断となり、確定診断や最終的な治療費は麻酔下で行う二次診査精査を経て決定されます。

step02

麻酔前検査

歯科の検査精査や処置には全身麻酔が必須です。
そのため、以下の手術前検査を行い、全身麻酔が可能かどうかを判断します。

血液検査 血液の状態を確認し、主に内臓全身の健康状態を評価します。
レントゲン検査 おもに胸部や腹部のレントゲンで心臓・肺・内臓に異常が見られないか、頭部のレントゲンで歯や顎の骨の状態を大まかに評価します。
超音波検査 内臓や心臓の動きや内部の構造に異常がないか検査します。

これらの検査に基づき、ASA分類に沿って全身状態と麻酔リスクを総合的に評価します。

step03

二次診査

全身麻酔をかけて口を自由に開けるようにします。
その後より詳しく口腔内と歯の状態を調べていきます。
プローブという専用の器具を使って歯周ポケットの深さや歯肉の腫れ具合、出欠の有無などを1本1本の歯について評価します。
つづけて口の中にフィルムを入れて歯科用レントゲンで歯と歯槽骨の撮影を行います。
(二次診査は通常麻酔前検査の約1週間後に行うことが多いです)手術日には、以下の処置を全身麻酔下で行います。
これらのデータを総合的に判断して必要な治療を策定します。
一次診査の見立てと異なる場合など改めて判断が必要な場合はお電話にて飼い主様に相談をします。

step04

手術・処置

飼い主様の同意を得た方法によってそれぞれの部位に必要な処置・手術を施します。
術後は全身麻酔を切って覚醒し出血などの問題がないかどうか看護していきます。
退院は処置時間の長さに応じて当日または翌日となります。

二次診査と手術・処置は同日で一連の全身麻酔で行うことが一般的ですが、二次診査の内容について詳しく説明を受けた後改めて処置・手術の内容を見直したいと希望される飼い主様の場合、いったん覚醒させて再度別日に分けて処置・手術を行うことも可能です。

step05

術後チェック

手術後7〜10日後にご来院いただいて再度口腔内をチェックします。
再チェック時には通常全身麻酔は不要です。
この日の診察では、以下の点について確認します。

口腔内の状態 手術後の口腔内の傷の治り具合や1週間での歯垢の再付着の程度回復状況を確認します。
デンタルケアの相談 今後のデンタルケアの取り組み方についてご相談いたします。
step06

処置後のアフターケア

アポロどうぶつ病院では、日常のデンタルケアの一環として愛玩動物看護師によるマンツーマンの歯磨きトレーニングを行っています。
また歯内治療を行った場合は3〜6ヶ月後に再度全身麻酔下にて歯周ポケットの深さ測定と歯科レントゲン検査を行い、治療をした歯の治癒が順調か確認します。
歯磨きトレーニングは対象が犬と猫です。
猫ちゃんの歯磨きは犬より難しいですが、猫ちゃんと飼い主様のがんばり次第で磨けるようになることも可能です。
歯磨きトレーニングでは以下のようにトレーニングを進めていきます。

ゴールの設定 どれくらい歯磨きが出来るようになればいいか、目標を一緒に立てます。
正しい歯磨きの方法を学びます。
動物との信頼関係構築 歯磨きの大切さを動物自身は理解してくれません。
無理矢理やると口の中に人工物を突っ込まれて飼い主様がただ嫌なことをやるだけという印象になってしまいます。そこで歯磨きの前提として飼い主様と動物の信頼関係をさらに高めるためにはどうしていくかをお伝えします。
歯磨き動作のステップ分解 実際に歯磨きで行う動作を細かいステップに分けて一段一段階段を上るように少しずつできる動作を増やしていきます。
自宅トレーニングのチェック 動画撮影をしていただいてご自宅で飼い主様が実際に動物と行っているトレーニングの修正点を見つけていきます。

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