症例紹介

【獣医師が解説】猫の歯周病とは?症状チェックと今すぐできるお口ケア|埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院

歯周病

志木市・新座市・朝霞市・ふじみ野市・清瀬市の皆様こんにちは、
埼玉県志木市のアポロどうぶつ病院です。

猫の健康管理といえば食事やワクチン、ノミダニ予防などが思い浮かぶかもしれませんが、「歯と口の健康」も非常に重要です。
特に多くの猫が悩まされるのが「歯周病」です。
食べて栄養を摂るのが全ての健康の基本ですから、口や歯の健康は全身の健康に大きく関わります。
また歯みがきがしづらかったり、歯が溶ける病気が出やすいのも猫の歯周病の特徴です。

今回は「猫の歯周病の症状・治療・予防」について解説いたします。

まずはチェック!受診の目安リスト

以下の項目にひとつでも当てはまったら、歯周病の可能性があります。
早めに動物病院の受診を検討しましょう。
✅ 口がくさい・口臭がある
✅ 手で口を掻くしぐさをする
✅ 食べるとき片側だけで噛む、首を傾ける
✅ ごはんを食べるスピードが遅くなった、途中でやめる
✅ ごはんの前でじっと考え込んでいる
✅よだれが多い・血が混じっている
✅歯ぐきが赤く腫れている、出血している
✅ 口や下顎をなでられるのを嫌がるようになった

歯周病ってどんな病気?

歯周病とは、歯の周囲にある歯ぐきや歯槽骨(歯を支える骨)に炎症が起こる病気です。
初期段階は「歯肉炎」、進行すると「歯周炎」となり、最終的には歯が抜けたり、溶けてしまうこともあります。
さらに、口内の細菌が血液を通じて全身に広がることで、心臓・腎臓・肝臓などに影響を与えることもあります。

猫は痛みを隠す動物です

猫は我慢強く、口のトラブルがあっても鳴いたり騒いだりしないことが多いです。
だからこそ、ちょっとした変化に飼い主さんが気づくことがとても大切です。
3歳以上の猫の約8割が歯周病の兆候を持っていると言われており、決して珍しい病気ではありません。
特に、スコティッシュフォールドやペルシャなどの短頭種は、歯並びの影響でリスクが高くなる傾向があります。

おうちでできる予防ケア

予防の基本は「毎日の歯みがき」。

とはいえ、猫にいきなり歯ブラシを使うのは難しいので、
最初はまず頭やあご下をたくさん撫でたり、色々な触り方、掴み方になれていきましょう。
その次に唇をめくったり、歯に触る練習をしていきます。
慣れてきたら、歯ブラシを当ててこすらずに離し、ハブラシにも慣れさせていきます。

猫用の歯みがきペーストには猫の好む味がついていて練習の補助になる場合があります。
歯みがきシートを使用する場合は歯ぐきにシートが触れると痛みの原因になりやすいので、
歯だけをこするように慎重に使うことをおすすめします。

どうしても難しい場合は、デンタルガムや飲み水に混ぜるタイプのサプリ、
または定期通院して動物病院で歯みがきケアなど、無理のない方法でケアを続けましょう。
アポロどうぶつ病院では猫ちゃんの歯みがきトレーニングについてもご相談に乗っていますので、ご興味をお持ちの方はぜひ一度ご相談ください。

アポロどうぶつ病院でできること

動物病院では現在の歯周病の進行具合やいたみの程度、その他の口腔内疾患の有無など、さまざまなことがチェックできます。

また歯みがきトレーニングや、色々なオーラルケアグッズのご紹介などを通じて、
口や歯に関するさまざまなお悩みごとを解決していくサポートが出来るような準備を整えています。

また、歯周病が進行している場合は、全身麻酔下での治療が必要になることもあります。
まずレントゲンを撮って歯の状態を詳しく調べます。
その後スケーリングを行って歯石と歯垢を除去していきます。
また、必要に応じて抜歯や抗生物質の投与が行われることも。

猫の体に負担をかけないためにも、できるだけ早い段階で発見・治療することが重要です。

最後に

歯周病は早期発見・早期治療がカギです。
「ちょっと変かも」と思ったら、ぜひお気軽に動物病院にご相談ください。
お口の健康は、猫ちゃんの健康寿命を延ばすために欠かせないケアのひとつです。